うさぎママの緘黙子育て日記

~場面緘黙症&不登校&繊細な一人っ子娘が何とか生きやすくなるよう日々奮闘しています~

困りごとの本質

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場面緘黙って、娘みたいに外で全く話せない子ばかりかと思っていたら、そうではないみたいです。

 

○友達や先生とは話せないけど、音読や日直など、決まったセリフなら話せる子。

 

○お医者さんや店員さんなど知らない人なら、普通に話せる子。

 

〇話せなくても人と交流する意欲のある子。

 

○頭の中には、たくさん話したい事はあるけど、声を出すことができない子。

 

○そもそも何を話したらいいか頭の中に浮かんで来ない子。←娘はこのタイプ

 

○人と交流したい気持ちが少なく、話す意欲があまりない子。←娘はこのタイプ

 

などなど、親の会などで聞いてきました。

 

イギリスのかんもく支援者の第一人者マギー・ジョンソンさんは、場面かんもくの症状がある子どもを5つのグループに分類しています。

 

 

 

❶場面かんもく傾向

 

❷純粋な場面かんもく

 

❸言葉に苦手がある場面かんもく

 

❹複合的場面かんもく(発達的問題や心理的問題の合併)

 

❺遅発発症の場面かんもく(学校での孤立やいじめによる発症が多い)

 

 

 

らせんゆむ著 解説/かんもくネット2015年 「私はかんもくガール」合同出版P59より

 

うちの娘は、❹複合的場面かんもくなのかなと思ってます。

 

 

今まで場面緘黙関連の本をたくさん読んできましたが、話したい意欲がある人を前提にしたものばかりでした。

 

話したいのに話せない。

 

だから、安心できる環境を整えて、スモールステップで話す練習に取り組んでいく。

 

というのが改善方法としてよく出てきました。

 

でも娘は、外で話す意欲は全くありません。人と交流したい気持ちもありません。

 

こんな状態で私は娘に何ができるのか、何をしたらいいのか、いつも迷っていました。

 

でも、この本にヒントをもらえたと思います。

 

 

発達障害のある女の子・女性の支援」(川上ちひろ・木谷秀勝 編著 2019年金子書房)です。

 

女の子の自閉症スペクトラム事例がたくさん載っていました。

 

その一つの「当事者の立場から」という体験の一節が娘に合っていると思いました。

 

 

 

自分にすきなものがあり、それを表現し認められる経験があって初めて他者や集団への関心が生まれ、コミュニケーションに工夫が生じ、社会性が育っていきます。モチベーションに支えられたコミュニケーションや社会性でなければ、自分のものとして使いこなすことは難しいことをたくさん経験しました。

 

川上ちひろ・木谷秀勝 編著 2019年「発達障害のある 女の子・女性の支援」金子書房P112

 

 

 



 

好きなものをベースにしてというのは、今までもやってきましたが、「それを表現し認められる経験」というのを初めて知りました。

 

 

 

(娘がデジカメで動物や風景の写真を撮ることを楽しみにしているとスクールカウンセラーの先生に話したところ)「娘さんが撮った写真をリビングなどに飾って家族で褒めていかれるといいですよ」と言われたことがあったので、これだ!と思いました。

 

 

 

娘が人と話す気持ちがないのは、人に興味が薄い、コミュニケーションが苦手な特性がベースだと思うので、場面緘黙の本には、話す気持ちのない人のことは詳しく書かれていないわけです。

 

今までは、不安だから外で話せないとばかり思って、話せないことばかりに注目していましたが、それは表面に出ている困りごとの一部であって、娘の場合、問題の根っこは、人とのコミュニケーション障害にあると思います。

 

 

娘の場合、何を話していいのかわからない。

自分だけ置いていかれているような不安。どうしていいかわからない恐怖。

些細なことでパニックになる娘を見ていて、娘の心境を感じるようになりました。

 

幼稚園時代からの集団行動はとても怖かったと思います。小学校でも、恐怖の中で過ごしていたと思います。その気持ちを自分でも、よくわからず、親に言葉で伝えることもできず、娘は苦しかったと思います。

 

娘が不登校になり、まだまだかもしれませんが、やっと娘の特性や気持ちに近づけたと思います。

 

こういう娘の状況に、外部の人が気付くのは相当難しいと思います。似たような特性を持った方だと、もしかしたらわかるかもしれません。

 

外から見ると、娘は、何も問題ないおとなしい、いい子に思われてきました。

でも心の中は、恐怖と不安で満たされ、集団の中に行くだけで、疲れきっていたと思います。

 

表面)先生の指示に従えている。

 → 内面)周りを見て、必死に合わせていた。

 

表面)勉強に問題ない、宿題はしっかりやる、忘れ物はない。

 →内面)やらなければと思い、恐怖と緊張の中で、能力以上にがんばっていた。

 

表面)困っていても、助けてと言えず、表情にも表せない。

 →内面)先生からは大丈夫だと思われてしまう。結局誰も助けてくれず、心のなかではパニック状態。

 

がんばればできてしまう子は、問題ない子と見られてしまい、先生は他の手がかかる子の方に行ってしまう。

 

こんなのが日常だと思うと、不登校を選ぶ娘の気持ちがわかります。

 

ようやく、娘の困りごとに気づいてからは、外で話さないことがあまり気にならなくなりました。

 

話す話さないよりも、娘が自分の気持ちを表現でき、生きやすくなることが大事だと思うようになりました。言葉じゃなくても、気持ちを表現できればいいと思います。

 

最終的には、話せるようになれれば一番いいのですが、まずは娘が自分らしく、困ったときは人に伝えることができ、そして好きなものに囲まれ、自分に自信を持って生きていくことが目標だと思います。

 

そのために私ができることは、娘の好きなものを一緒に見つけて、それを家族や他人から認められる機会をたくさん作るようにすることかなと思います。